この記事では、ゴッホの絵画「アルルの病院の庭」および絵画の舞台であるエスパス・ヴァン・ゴッホについて紹介します。
アルルの病院の庭
「アルルの病院の庭」は1889年6月にオランダの画家ヴァン・ゴッホによって描かれました。「アルルの診療所の庭」「アルルの病院の中庭」と表記されることもあります。英題は”Garden of the Hospital in Arles”や”Courtyard of the Hospital at Arles”です。
1888年12月23日にゴッホが自身の耳を切り落とし、翌日の24日に病院に入院しました。この作品はゴッホが療養していた旧アルル市立病院の四つの建物に囲まれた中央の庭を描いたものです。
作品は現在はスイスのオスカー・ラインハルト・コレクション アム・レマーホルツ(Oskar Reinhart Collection Am Römerholz)に所蔵されています。
エスパス・ヴァン・ゴッホ
かつてのアルル市立病院は現在は「エスパス・ヴァン・ゴッホ(“Espace Van Gogh”)」と呼ばれるカルチャーセンターとなっています。
旧アルル市立病院は16世紀から17世紀にかけて建設されました。1835年にコレラの大流行に対応するために増築され、20世紀初頭には病院は当時の医療水準に合わせるために改修されました。1974年にアルル郊外にジョセフ・アンベール病院が開院し、旧市立病院の多くの機能が新病院に移されました。
1986年にはすべての診療科が退去し、病院は図書館やお土産屋さんの入っている総合文化センターとして再生されることになりました。
中庭はゴッホの絵を元に当時と同様に復元されています。
2024年4月6日にエスパス・ヴァン・ゴッホに行きました。朝早くに訪れたため、他の人はおらず、ゆっくりと観光できました。季節によって花の咲き具合が異なるかと思います。
敷地内にはゴッホ作品の関連グッズを売っているお土産屋さんがありました。絵はがきやマグカップなど様々な種類のグッズが売られていました。
アルルへ観光に行った際の様子をYoutubeにアップしていますので、興味があればご覧ください。エスパス・ヴァン・ゴッホの様子は動画開始から2分後くらいにあります。
アクセス
病院で描かれた他の絵
ゴッホは「アルル病院の庭」のほかに病室の様子を描いた「アルルの病院の病棟(“Ward in the Hospital in Arles”)」という作品も制作しています。病院の庭と同じくスイスのオスカー・ラインハルト・コレクション アム・レマーホルツに所蔵されています。
また、1889年には主治医の肖像画も描いており「フェリックス・レイ医師の肖像(“Portrait of Doctor Rey”)」と題されています。この作品はロシアのプーシキン美術館(Pushkin Museum)に所蔵されています。